- せん
- I
せん【仙】(1)仙人。(2)仙人になる法。II
「我, 昔, 生たりし時, ~の法を習ひ行き/今昔 10」
せん【倩】きりょうがよいさま。 口もとがかわいいさま。III「~たる巧笑/虞美人草(漱石)」
せん【先】(1)現在のものの前であること。「~の勤め先」「~の女房/滑稽本・浮世床(初)」
(2)(現在から過去にさかのぼる方向で)前の方。 以前。 昔。「~に行ったことがある」「~から気付いていた」
(3)順序が前であること。 さきんずること。「機早なる若大衆共, 武士に~をせられじとや思けん/太平記 15」
(4)囲碁・将棋で, 先手。 また, 囲碁では一方が常に黒を持って先着する手合割り。→ 互い先→ 先相先(5)「先途(センド)」の略。「爰を~といどみあふ/浄瑠璃・平家女護島」
~を越・す相手に先んじて物事をする。 先を取る。~を取・る「先を越す」に同じ。IVせん【千】姓氏の一。 千利休を祖とする茶道家元の名が知られる。Vせん【千・阡・仟】数の単位で百の一〇倍。 また, 数の多いこと。〔「阡」「仟」は大字として用いる〕~に一つ多くの中のたった一つ。 ありえないことにいう。「~の望みもない」
~も万(マン)もいらぬかれこれいうに及ばない。VI「~唯今の金子を戻せ/歌舞伎・韓人漢文」
せん【宣】勅旨を宣すること。 宣旨。VII「准后の~を蒙る/平家 4」
せん【専】(1)一つのことに集中すること。「体を丈夫にするのが~だよ/金色夜叉(紅葉)」
(2)ほしいままにすること。VIII「其の心愈(イヨイヨ)~なれば, 其の権力愈偏せざるを得ず/文明論之概略(諭吉)」
せん【栓】(1)瓶などの口に詰めて, 中身がこぼれないようにするもの。 ふた。 また, ものの穴をふさぐもの。「ビールの~」「~を抜く」「耳に~をする」
(2)ガス管などの出口につけて流れを調節したり, 止めたりする装置。 コック。(3)建築で, 材の継ぎ目などに差し込んでふさぎ止める木くぎ。IXせん【氈】毛で織った敷物。Xせん【煎】湯で茶などを煎じ出すこと。XIせん【疝】「疝気(センキ)」に同じ。XIIせん【磚・塼・甎】中国で粘土を型で固め, 焼き, あるいは乾燥させて作った灰黒色の煉瓦(レンガ)。 漢代に発達し, 城壁・家屋・墓室の構築に用いられた。 日本でも飛鳥時代の寺院跡や鎌倉時代の唐様建築などにみられる。XIIIせん【筌】⇒ うけ(筌)XIVせん【箋・籤】(1)札。 細長い紙片。(2)書籍の題名や年号などを記して巻子(カンス)本に結びつける札。 また, 冊子に挟んで検索の手掛かりとする札。 付箋。XVせん【線】(1)糸のように長く連続したすじ。 (ア)細長いすじ。「グラウンドに~を引く」(イ)数学で, 幾何学の対象の一。 {(ア)}を抽象化したもの。 曲線と直線とがある。 (ウ)電線や電話線。 「風で~が切れる」(エ)交通機関の路線。 「ローカル~」
(2)ものの輪郭。「柔らかな腰の~」
(3)物事を進める上での方向・道筋。「協力する~で話を進める」「物取りの~が強い」
→ いい線(4)そのものをほかのものと区別する仕切り。「公人として超えてはならない~」
(5)人の言動から受ける印象。「~の細い人」
~が太・い度量が広く, 性格がしっかりしてたくましい。⇔ 線が細いXVIせん【繊】(1)「繊蘿蔔(センロフ)」の略。(2)数の単位。 微(ビ)の一〇分の一, すなわち一千万分の一。 [塵劫記]XVIIせん【腺】分泌活動を行う細胞の集まり。 普通, 分泌物を一時たくわえる腔所を中央にもち, 細胞が腔所を囲む構造をとる。 分泌様式により外分泌腺と内分泌腺とに分けられる。→ 分泌XVIIIせん【詮】(1)その行為に見合う効果。 しるし。 かい。「今となっては~のないことだ」「生きていても何の~があろうか」
→ せんない(2)手段。 方法。 せんかた。「社司ども~尽きて眠りゐたりける程に/著聞 1」
(3)究極のところ。 眼目となるところ。 肝要な点。XIX「ただ~は仏法にて王法をば守らんずるぞ/愚管 3」
せん【賤】律令制下の賤民のこと。XXせん【選】(1)多くの中から選ぶこと。「~にもれる」
(2)官吏がある地位や職に選ばれること。「我等, ~に何なる官をか得んとする/今昔 9」
~を異(コト)にする別の部類に属する。XXI「愚猫とは少しく~して居る/吾輩は猫である(漱石)」
せん【銭】(1)金・銀の貨幣に対して, 銅・鉄などの貨幣の称。 ぜに。「一文~」「天保~」
(2)貨幣の単位。 円の一〇〇分の一。(3)昔の貨幣の単位。 一貫の一〇〇〇分の一。 文(モン)。(4)重量の単位。 一貫の一〇〇〇分の一(3.75グラム)。 匁(モンメ)。XXIIせん【餞】はなむけ。 餞別。 また, 別れの宴。XXIII「台盤所にて~せさせ給ふに/拾遺(別詞)」
せん【饌】(1)ととのえた食物。(2)供え物。 供物にする食物。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.